本記事は、愛媛県の「あまごの里」を営む梅木健一さんを紹介しています。清流で育ったアマゴやニジマスを、自然豊かな環境で提供し、地域活性化に取り組む姿が描かれています。
2020.12.17公開
あまごの里
梅木健一さん
愛媛県大洲市。川の流れに沿うように山道をたどると現れる釣り堀兼宿泊施設の「あまごの里」。
すがすがしい空気と耳になじむ河辺川のせせらぎ。
おじいさまより受け継いで3代目。
「いつ頃からか分からないですけど、継ぐものだと思ってやってました。」
幼いころからご両親のお仕事を間近でお手伝いをされて過ごされ、今では自然豊かなこの地で梅木さんは奥様と「あまごの里」を営んでおられます。
釣り堀とされているいけすにいるのは3種の川魚。
アメノウオ(アマゴ)・ニジマス・イワナ。
いけすの水は河辺川の水そのものを引き込んでおり、クリアな水面に魚たちの姿がよく見えます。
私たちはよどみない清流で元気に泳ぐ川魚たちに会うことができましたが、少し前まで情勢は厳しかったことをお話ししてくださいました。
「店自体は夏時期は混むんですけど、コロナ対策でお客さんの数を制限しました。」
「塩焼きを焼いて売ったりするイベントもできなくて」
卸先様への影響もあったりしたことから、
「本当に魚をどうしようかっていう形で話してて、いっそ(いけすを)埋めるかっていう話だった。」
そんな中、ご自身でSNSなどから販売する経過を経て、OWLへの出店をしてくださいました。
お店の名に「あまごの里」とあるとおり、「アマゴ」は河辺地域名物でもあり渓流の女王と呼ばれる川魚。
OWLでのお客様の反応には驚かれたと言います。
「OWLさんに出して思ったのが、ニジマス自体は広く養殖されているので、ニジマスよりもアマゴのほうが売れるかと思ってたんですけど、」
「ニジマスのほうがやっぱり知名度があるんだなって。色んなところから本当に買っていただいて。」
そう。あまごの里さんでは「ニジマス」がよく売れているんです。
「すごく面白いなと思いましたね。ニジマスを見直しました。」(笑)
新しいチャレンジ。
お隣の長浜町にてアマゴの稚魚を養殖し海で大きく育てる取り組みに対し、あまごの里さんは稚魚を提供されています。
「アマゴは元々はシャケと一緒で海に下るお魚。
海でサツキマスという大きな魚になります。長浜で養殖されてる業者さんがちょっとやってみたいんだけどっていうので、」
「海だと食べ物がたくさんあるっていうのもあるんでしょうけど、シャケみたいに大きくなるようで。
川の水から海水に慣らすのがなかなか難しかったりするみたいですけど、上手いこといってるみたいですね。」
このようなお取り組みに参加する理由を伺うと、
「やっぱり知名度っていうのは1番大きいと思うので。どこかで見たよっていう風にうちに来てくれるのが1番有り難いですし。」
河辺地域の名物のアマゴを知ってもらう活動として、新しいことにもチャレンジされるパワフルさ。
別の形であまごの里さんの魚に出会える日も遠くはありませんね。
大好きなふるさとを元気にしたい。
「河辺の未来を考える会」の一員として様々な活動をされています。
「地域おこし活動として、河辺の未来を考える会をやっているんですけど、アマゴなどの河辺のものを使った
特産品を作ったり、子どもたちと一緒に何かをしようということだったり、観光ツアーを考えてみようとか。」
また、地元の方との交流を通じて思いを語ってくださいました。
「この辺っておじいちゃんおばあちゃん多いんですけど、一生懸命昔からの畑とか大事にされてるんですよね。もう1人とか2人になっても一生懸命いっぱい作って、だからその野菜をなんとか売りたくて、その方法をずっと考えてて。」
梅木さんのあたたかな、そして熱い気持ちが伝わってきます。
身近な自然からかけがえのない体験ができるあまごの里。
「やっぱり釣ってお食事するっていうのが、自分で釣ったものを食べれるっていうのは大きいみたいで。子どもと一緒に来て、ちょっと食育で、といった感じで思われてる方もいらっしゃって。」
目の前を流れる河辺川で渓流遊び、釣り堀で釣りを楽しみ、さっきまで元気に泳いでいた魚をおいしく食す。
日帰りはもちろん、のんびり宿泊もできる河辺のスポットです。
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あまごの里
■OWL出品者さんのページ
■公式ホームページ
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訪問レポート |
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vol.2:河辺に流れる思い。大好きな町を元気にしたい/あまごの里 |
vol.3:おいしいを追求する父子の『作品』づくり/くるるんトマトファーム龍農園 |