本記事では、長崎県「じゃがのまつなが」の松永夫妻が、カラフルなじゃがいも栽培に挑戦し、SNSを通じて消費者とつながりながらファンを増やしている様子を紹介しています。
2020.11.18公開
じゃがのまつなが
松永尚継さん
松永寿美子さん
長崎県西海市。私たちが訪れたのは九州本土の最西部、長崎県西彼杵半島の北部に位置し、至る所で美しい海岸線を望むことができる自然豊かな土地です。
「じゃがいもは本当に種類が豊富で、品種によって中身までホクホク、とか甘い、とかそれぞれ特徴があります。その中から色々取り入れたりイマイチだったから外したり。試行錯誤して、うちで扱う品種を厳選しています。」
ご夫妻が共に畑を始められたのは3年前。それまで夫の尚継さんはJAに勤務されていました。
ご実家が農家だったため、いずれ農家を継ぐという意識は自然と持っていたそう。
「でも、初めからカラフルじゃがいもを作っていたわけでは無くて。
2人で農業を始めた年にじゃがいもの価格が大暴落したんです。このまま市場に頼っとったらこの先どうなるかなって。私たちの畑は土地がそこまで無くて大量に作れるわけじゃない。そこで、やっぱり違ったことをせんと!と思って。
カラフルな人参とかって流行ってますよね。そういうのをしたら価格がついて良いんじゃないかって思ったんです。」
「じゃがいもは品種によって花の色が違います。これはグラウンドペチカです。農業を始めた3年前はニシユタカしか栽培していなかったので、白の花しか知りませんでした。
その頃は泣きながら農作業をしたり、愚痴を言ってばかりだったり…農業が好きではありませんでした。それからじゃがいもの価格が著しく安くなった年があったり、じゃがいもが病気になって、大量の腐れたじゃがいもを処理するだけの作業をしたり。
色々な辛いことがありましたが、それがあったから色々考えて今があります。今はこうしたい!あれがしたい!!と旦那さんと話すことはじゃがいもの話ばかり(笑)楽しくなってきました。」
2019年12月からスタートしたまつながさんのInstagramアカウント。
「元々は写真も全然撮らないんですよ。友達に写真の撮り方を教えてもらった時に、それInstagramに上げて宣伝したら良いやんって言われて。それでえーっと思ってやってみたら、どんどん広がっていきました。」
今ではそのInstagramがお客様とのコミュニケーションで大きな存在になっているそう。
「定期的に作業風景を載せているんです。すると、こんな風に育つんですね、とか収穫が待ち遠しい!とかコメントを頂いて。作業風景をずっと見てきたから、収穫の時にはまるで、みんなで一緒に育ててきたような感覚になります。」
みんなが応援してくれるからやりがいも生まれる、と寿美子さんは語ります。
この優しいタッチが印象的なプロフィールアイコンも、Instagramで繋がったお友達に書いてもらったものだそう。
「日々主婦の目線であれやりたい、これもやったら良いんじゃないかって考えています。そうやって考えると、自分だったら食材が届いたときにこれどんなんするっちゃろ?ってなるんですよ。疑問が生まれる前に先に解消してあげたら親切なんじゃないかって。
そう思ってこれも作りました。品種ごとの特徴やおすすめの食べ方を記しているんです。直売所でもみんなに分かりやすいって、言ってもらえました。」
「ある時は、友だちがインフルエンサーマーケティングっていうのがあるって言ってるから、そしたら誰か見つけて直接交渉してみっかって。送ってみたら、良いですよって言ってくれたからどんどん広がっていって。それで結局お友達になりました(笑)」
「これまで素敵なお客様とたくさん出会えて、リピーターにもなって頂きました。これからも、お客様の目線で、どんな風にしたら喜ばれるかを考えて、1人1人のお客様を大切にして。
じゃがいもだけでなく、じゃがのまつながのファンをたくさんつくっていきたいと思っています。いつもたくさんのご縁に感謝をしています。」
まつながさんの温かく丁寧な人柄は、いつも私たちに向けられる文章からも伝わってきます。
ご夫婦が愛を込めて育てたじゃがいもは、11/18(木)現在、コクと旨味が特徴のながさき黄金を販売中。
11月末には煮物にぴったりのニシユタカを、12月にはカラフルじゃがいもを収穫・販売予定です。
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じゃがのまつなが
https://owl-food.com/sellers/286
Instagram @jaganomatunaga
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