旬の食材の食べ合わせで栄養効果を引き出そう

お家で過ごす時間が増えてから約1カ月が経ちました。毎日お食事のご用意をされている皆さま、おつかれさまです。
こんな時だからこそ食事でしっかりと栄養を摂り免疫を高めたいところ。でも、毎回のお食事で栄養を考えた献立を作るのは簡単なことではないですよね。

皆さまは、複数の食材を一緒に食べることでそれぞれの食材のもつ栄養素の効能に変化が生じることがあることをご存知でしょうか。
このページではこの変化をうまく活用し、ご家庭で簡単に食材の栄養効果を引き出すことのできる「食べ合わせ」に着目し、その例をいくつかご紹介していきます。

アスパラガス

asparagus(1).jpg

アスパラガス×レモン×キノコ

アスパラガスとキノコのマリネ

アスパラガスの穂先には「ルチン」が多く含まれています。「ルチン」には「ビタミンC」を含む食材の栄養効果を高める効果があり、レモンと一緒に食べることでレモンに豊富に含まれている「ビタミンC」の吸収を促進します。これにより、体をサビつかせる活性酸素の働きを抑える「抗酸化作用」を大きく発揮します。室内での生活で荒れがちな肌をいたわることができ、活性酸素が適切な量になることで、免疫力が高まります。
今まさに、積極的に摂りたい栄養素。「ルチン」は水溶性のため、茹でている間にどんどん湯の中に溶け出してしまうため、栄養効果を保つためには電子レンジで茹でることがおすすめです。

アスパラ×豚肉×生姜

豚肉とアスパラの生姜焼き

アスパラガスに含まれる「アスパラギン酸」には疲労物質の「乳酸」を燃焼する働きと「グリコーゲン」というエネルギー源の作成を促す働きがあります。さらに、疲労回復ビタミンと呼ばれる「ビタミンB1」と一緒に食べることで、ダブルで疲労回復効果を狙うことができます。ここに生姜を加えることで、身体を温め、冷え性対策や風邪予防に役立てましょう。

トマト

tomato(1).jpg
トマト×オリーブオイル
トマトのステーキ

トマトに含まれる「リコピン」は人参などに多く含まれるβカロテンと同じ「カロテノイド色素」の1つで、中でもとりわけ「抗酸化作用」の強い色素です。「抗酸化作用」が活性酸素の働きを抑えることで、血管の柔らかさを保ち血管の硬化によって起きる心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立ちます。また「リコピン」は油で加熱することで、体内に吸収されやすい構造に変化します。その差は生のトマトの4倍。ひと手間加えることで、より多く身体によいものを吸収することができるのです。

トマト×納豆
トマト納豆

トマトと、納豆のネバネバに共通して含まれているのが「グルタミン酸」。この「グルタミン酸」が小腸のバリア機能を高め健康を維持ます。また、体内で病気や傷の修復などに使われる「Lグルタミン」の前駆体となります。また、納豆のネバネバはたくさん混ぜることで空気を含んで舌触りがよくなり、より小腸を活性化することにもつながります。
小腸を活性化し、内臓疲労を回復するトマトと納豆の組み合わせは、疲労を回復させる食べ合わせです。

玉ねぎ

onion(1).jpg

玉ねぎ×サバ

玉ねぎとサバのさっぱりサラダ

玉ねぎの辛み成分である「硫化アリル」とさばの血合いに含まれる、健康維持に必要な脂肪酸「EPA」はどちらにも血液をサラサラにする働きがあります。そんな”血液サラサラ成分”を合わせて摂ることで酸素や栄養素が身体の隅々まで行き届くようになり、全身の機能が活発化されます。これにより老廃物が流れ疲れにくくなったり、集中力の向上や寝つきの改善に繋がります。
「硫化アリル」は加熱することで糖と結びつき変化する(玉ねぎを加熱すると甘くなる理由です。)ため、生で食べるのがおすすめです。毎日を元気に過ごすために一緒に食べたい組み合わせです。

玉ねぎ×ヨーグルト

玉ねぎヨーグルトのドレッシング

玉ねぎに多く含まれる水溶性食物繊維の「イヌリン」はヨーグルトに含まれる善玉菌「ビフィズス菌」の大好物。「イヌリン」が一緒に腸内に入ることで「ビフィズス菌」のエサとなり腸内細菌を活性化させます。これによって生み出されるのが、油脂を構成する成分のひとつ「短鎖脂肪酸」です。「短鎖脂肪酸」が腸の中で増えることで、脂肪の蓄積を抑える、免疫細胞に作用して免疫力を高める、アレルギー抑制作用を示す効果があることが科学的に証明されています。

食べ合わせの効果としては、1品の料理でなくても、1度の食事で同時に摂ることができれば問題ありません。
また1度の食事で摂れなかったとしても、あまり時間を空けずに摂取すれば、食べ合わせの効果が見込めると言われています。

食べたものが身体を作るから

食べ合わせでその効果が変化するように食材の切り方、食べる箇所、調理の仕方など、小さな工夫で得られる栄養効果は変わります。せっかく食べるのであればその引き出し方を知り、身体に最も良い形で栄養を取り入れたいですね。これからもお家で簡単に取り入れられる方法をご紹介していきます。

また、皆で笑顔で食卓を囲むことも毎日を健やかに過ごすために欠かせません。食べるものの作り手が分かって、安心して、時にそれについて話しながらお家時間を楽しんでいただけるよう、私たちOWLも努めて参ります。